Hüsker Dü / Candy Apple Grey (1986)



Rate: 9.2/10.0
Genre: Punk/Alternative/Rock
For Fans of: The Replacements, Jawbreaker, Samiam.
Country: Minnesota, US.
Label: Warner


1. Crystal
2. Don't Want To Know If You Are Lonely
3. I Don't Know For Sure
4. Sorry Somehow
5. Too Far Down
6. Hardly Getting Over It
7. Dead Set On Destruction
8. Eiffel Tower High
9. No Promises Have I Made
10. All This I've Done For You

Myspace

Don't Want To Know If You Are Lonely


3rdである"New Day Rising"でのレビューでも言いましたが、やはりこのバンドが90年代のシーンに与えた影響は計り知れないと思ってます。
そのノイジーに掻き鳴らすサウンド、そしてキャッチーな部分もしっかりある、それでいて当時主流であったグラマラスなロックに染まることのないオルタナ性も持ち合わせていた姿勢は、当時ティーンだった強烈だったに違いないです。3ピースとシンプルな構成ながらも、逆にそれが剥き出しでぶつかって来るような、音源自体にも勢いを感じさせるサウンドも、単純に格好良い!と思えます。

上記の"Don't Want To Know~"なんかもう素晴らしいキラーチューンですよね!VERSE部のフレーズ終わりの前のめりな「ダーダーダ♪」って3連符がたまんなく好きです。Green Dayとかこの曲のフレーズや展開にまんま影響受けてますよね。

All This I've Done For You


ツインボーカルでそれぞれが優れたソングライターであるのも、このバンドのサウンドに深みを与えていますよね。あ、今「深みを与えて」って文を書いて思いましたが、シンプルな3ピースサウンドであるはずなのに、深みを感じるんですよね、このバンド。僕もギター、ベース、ドラムという構成で音をかき鳴らした時に何処か頼りなさを感じる時があります。何か薄いっていうかスカスカっていうか・・・いや勿論僕の技量ってのが多分に存在するのだろうけれど・・・やはり彼らのそのメロディやアレンジのセンスが要因の一つでもあるんだろうなと思いました。彼らが持つ"本物"な雰囲気も勿論あります。

No Promise Have I Made


もう少し突っ込んで言えば、前作からのキャッチーなサウンドシフトはよりUSルーツ的な音を意識した曲(あるいはアレンジ)が増えたからかなぁと。この"No Promise~"もピアノが印象的なハードロックバラードのようなアレンジですし、"Sorry Somehow"も何処かフォーク・カントリーを感じさせるメロディ、"Too Far Down"、"Hardly Getting Over It"に至ってはアコースティックソングです。"Hardly Getting Over It"は本当に名曲です。

後思ったのが、80年代ティーンで90年代活躍したオルタナ・パンクバンド達は、ハードロックやポップスそのものが嫌いなのではなくて、産業的な売り方・姿勢が嫌だなぁと思っただけで、メロディ自体はそこまで忌避していたわけではなかったのかな~と思いました。だってその90年代のオルタナバンドが影響を受けたバンド達は決して、そこまで当時(80年代)のシーンのサウンドを否定してたとは思えない音を出してたりする気がします。このHüsker DüのソングライターであるBob MouldなんかMotörheadみたいな70年代のハードロックサウンドに影響受けてそうですし。他の80年代のインディバンドって結構皆パワーポップサウンド好きな感じだし。

雑誌とかだと90年代のオルタナシーンを興したバンド達は、そういうシーン(80年代のMTV主義・産業的な音楽性)に嫌気がさして、それに反してバンドを始めた・・・とかそういう破壊的なサウンドを作った・・・とか言うけれど、そんなにカウンタカルチャーの旗を振ってサウンドをかき鳴らしていたわけじゃない気がします。僕らの10代の頃と同じように、ただ何となく「流行りのサウンドって格好悪いな」「インディーのバンドの方がヤベえ」「テレビでやってる音楽は所詮売れ線」みたいな斜に構えた中二病の発展でバンド始めて、80年代のインディバンドを聴いてそういうサウンドになったんかなぁと。
当然、その80年代のインディバンドが素晴らしかったというのが大前提なのですが。
まぁ何が言いたいかというと、90年代のバンドって別にそんな大義を背負ってるようなサウンドでもないし、別に80年代のポップカルチャーの音からそこまで乖離してるわけでもないかなぁって気がしました。

結論、ロッキング・オンの困ったら90年代のオルタナ(特にニルヴァーナ・カート・コバーン)・ブリットポップ(オアシス・ブラー)特集はウンザリしているという事。

Hardly Getting Over It


一言レビューでは一番とか言ってますが、実際は3rd、4th、5thは全部好きです。3rdが彼らのサウンドの完成形というならば、5thは彼らのルーツ的な部分なのか、キャッチーなサウンドが全面に出たサウンド。4thはその間って感じ。聴きこんでいけば単純にそういう分け方だとおかしいって感じると思いますが、あくまで目安ということで。

何だかわけわけわからない記事になってしまいましたね。申し訳ありません。ちなみに文句言ってる割にはロッキング・オン毎月購読しています。何だかんだ好きなので。
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