The Ataris / So Long, Astoria (2003)



一言レビュー「皆の心にこの一枚。」

Genre: Alternative/Melodic/Punk
For Fans of: Jimmy Eat World, Gameface, No Use For A Name
Country: Indiana, US.
Label: Columbia

1. so long, astoria
2. Takeoffs and Landings
3. In This Diary
4. My Reply
5. Unopened Letter to the World
6. The Saddest Song
7. Summer '79
8. The Hero Dies in This One
9. All You Can Ever Learn is What You Already Know
10. The Boys Of Summer
11. Radio #2 Album
12. Looking Back On Today
13. Eight of Nine
14. I Won't Spend Another Night Alone
15. The Saddest Song (Acoustic)

Myspace

so long, astoria


これからの死ぬまで生きたとして、その全てを総括して「人生のベスト10」を選んだ際、この作品がそれに入るかと言われれば、否であります。ですが、「僕の青春時代を支えた大切な10枚」を選ぶのであれば、間違いなくこの作品はいつの時代の僕でもこのアルバムを選ぶと思います。それだけの想いをこの作品に預けているし、それは恐らく僕だけではないはずです。
そんな素晴らしいエモーショナルなメロディとパンクソングで僕らの青春を彩ってくれたThe Atarisの人気作で4枚目のアルバム、"So Long Astoria"をれぶー。

ってかもう1曲目からのエモさったら無いですよ。今の甘めのエモと言うよりは、どちらかと言えば90年代Emo寄りの"エモ"って感じなんですが…何より力強いんですよ!そのガムシャラに魂を込めた、その真摯な姿勢から出るにThe Atarisのパンクサウンドに何かを感じざるを得ません!

In This Diary


後このバンドが何より好きな理由としてヴォーカルのKris RoeがThe Replacementsが大好きらしいんですよね…それを聞いたら「流石わかってるじゃないのよおおう!!」ってな感じに、一気に感情移入(笑)まぁ勿論それを知ったのは最近なので、高校生の時の僕は何も考えずにこのバンドを「神バンド!」と崇め奉っていましたけど。
まぁそれは僕のことはさておき、何が言いたいかというとですね・・・彼らがパンクバンドである前に、しっかりとアメリカンロックバンドでもあるという事なんですよ。勿論パンクの衝動的な部分やキッズの心を掴むキャッチーさを持ち合わせているんですが、それだけでは収まらないバンドとしてのスケール感を持っている気がします。この作品で特にそれが出ている気がするんです。
アレンジやフレーズ等、パンクだけ主に聴いてきた人が出せる引き出しじゃないです。勿論多くのパンクバンドがパンクだけ聴いてきたわけではないでしょうが、このバンドにはその自分たちの消化してきた音楽を引き出せる才能があり、自分たちのパンクサウンドに生かせる才能がある!という点では他の微妙なバンドとは大きく違うと思うんです。

以前のメロディックパンク・ハードコアサウンドだけではなく、しっかりと自分たちの持ち味を探りながら出した答えがこのアルバムだと勝手に思っています。

The Saddest Song


これだけアメリカの匂いを感じさせながら、パンクロックとしてのサウンドを保ちつつ、エモーショナルに奏でられる・・・っていうのは本当に凄いと思います。僕の知識が余り無いのもありますが、この作品に匹敵する、あるいは近い傾向の作品って他に余り無い気がします。
質の面で匹敵したとしても、これだけUSロック(特にフォーク・カントリー)の持つ悲しさみたいなのを感じさせるパンクロックではないだろうし、恐らく傾向が近かったとしてもUSロックの普遍性に溺れて、パっとしない普通な感じになっているのではないでしょうか。

まぁ僕がこの作品が好きすぎるが故に、贔屓してるレビューになってますけどね。まぁ個人ブログのレビューなんてそんなもんです・・・きっと・・・僕はそうです・・・

Boys Of Summer


このDon Henley(Eagles)のカバーも、単純なパンクカバーってわけではなく、しっかりとアメリカンロックしつつ、エモーショナルなパンクサウンドに出来てるんですよね。それが凄い。後関係無いですけど、この曲を書いたのはDon HenleyとMike Campbell(Tom Petty and the Heartbreakers)の2人なんですが、このMike CampbellってSmapの$10でギター弾いてるんですよね。どうでもいい情報でした。

まぁとにかく、パンクっていうジャンルはその指向的に閉鎖的になりがちなんですが、パンクのトップシーンでは思いの外開けてるんですよね。色んな人が人気パンクバンドの影響を受けているし、知ってもいる。ただそのパンクってものを掘り下げれば掘り下げるほど、聴き手や演者が閉鎖的になりがちです。そうすると人気バンドを「こんなのパンクじゃねえ!もっと評価すべきはこのアルバムだ!」と否定的になります。確かにジャンルにおける重要な一枚って意外にマニアックだったりするものです。その気持ちも物凄く、死ぬ程物凄く分かるのですが(僕もかなり頭でっかちに音楽を聴く方なので)・・・メジャーレーベルから出たこのThe Atarisの4thアルバムは、そういう風に後付の知識で価値を否定するにはちょっと惜しい程の作品だと思うんです。
勿論普通に聴いて合わなかったり、嫌いだったらそれで良いんです。ただ、昔彼らが好きだったのに、今は色んな知識を得て、「パンクロックは70年代後半~80年代までなんだ!だから今のパンクはパンクじゃねえ!」なんて言うのはちょっと悲しいので、感じたままに評価して欲しいですね。

「Don't think, feel」ってやつです。





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